2015年07月07日

音楽データの圧縮について

 今回も用語解説です。DAW関連というよりはデジタル音源についての文言になりますね。

 よく使われる音楽データのファイル形式(拡張子)は圧倒的に.mp3でしょう。次いで.wmaや.aac、アップルの.aiffなどが有名ですかねぇ。Windows標準の非圧縮形式である.wavを除くとこれらはすべて独自フォーマットであり、再生環境によっては聴けないものもあるので注意が必要です。.mp3なら大抵のプレイヤーで再生可能かとは思いますが、一部不可のデータも存在します。そこで今回の記事を書こうかと思いました。

 .mp3や.wma等のほとんどの音楽データ形式は非可逆圧縮となっており、少ないデータ容量で音声を保存できるように圧縮することを前提として開発された経緯があります。しかし非圧縮形式の.wavにも実はサンプリング周波数と量子化ビット数というものが設定されていて、例えば32ビットの.wavデータは過去のOS(WindowsXP等)のメディアプレイヤーではサポートされていません。同様の理由で、圧縮された音楽データにも再生不可のものが生じてしまうのです。

 ここで、サンプリング周波数と量子化ビット数について簡単な解説をしておきますね。
 サンプリング周波数とは、1秒間に何回のA/D(アナログ→デジタル)変換を行うかという数を表した数値です。単位は「Hz」です。CD音質なら44100Hz、DVDなら48000Hzになりますが、理論上はその半分の数値が再生可能な周波数で、CDは22050Hzまでの音が記録されるという仕組みです(実際の定義としては「デジタルの場合、再生する周波数の2倍のサンプリング周波数が必要になる」ということですが)。ただし、以前の記事で可聴域について触れたときにも書いた通り、人間の耳ではDVD音質の24000Hzの音が聴こえる人はまずいないですから、それほどこだわる必要もないでしょう。
 量子化ビット数とは、同じくA/D変換の際に何段階の細かさで表示させるかという数値です。単位は「bit」です。レコード等のアナログ音源が極めてなめらかな波形なのに対し、CDはデジタル音源で波形が階段状になっているという話が昔ありましたが、その階段の細かさを表したものがこれだという考え方でよいでしょう。CDは16bit、DVDは24bitがそれぞれの量子化ビット数として定められています。16bitは2の16乗という意味で65536段階、24bitは16677216段階になります。
 ちなみに、CDのサンプリング周波数と量子化ビット数のどちらかを超えて記録されたものをハイレゾ音源と呼んでいます。DVD音質もハイレゾ音源に区分されますね。新しめのオーディオインターフェイスなら192KHz対応なんてのもありますが、まったくもって可聴域を逸脱しているので果たして意味があるのかと常々疑問ですけど。レコーディングは48000Hz、24bitで十分だと思います。

 では圧縮とは何なのでしょうか。専門的なので詳しくは触れませんが、一言で表すと「ビットレート」というものを下げた音源ということになります。ビットレートは「bps(ビットパーセカンド)」という単位で表されますが、現在のビットレートにおけるほとんどの表記はその1000倍を示した「kbps」ですね。Windows標準のメディアエンコーダでは128kbpsがデフォルトの設定。CD音質の.wavが1411.2kbpsですから約11分の1のファイルサイズで済む計算です。
 しかしながら、.mp3も.wmaも128kbpsの音質では高音質とは呼びがたいですよね。最近の主流は192kbps以上ですし、ネット配信では320kbpsのビットレートが大半を占めます。プロが聴いても192kbpsと320kbpsの違いが分からないとかいう記事も見かけますが、ヘッドフォンでは無理でも圧縮された部分を補完するプレイヤーで聴くと一発で分かるという人もいるようです。前述の通り非可逆圧縮ですから、消えた部分が少なければ少ないほど原音に近いのは間違いないので、ビットレートが高くて困ることはないでしょう。
 反対に、「ファイルサイズを極力小さくしたい」と言ってこのビットレートを切り詰めている場合もあります。ですが、128kbpsは普通に聴ける最低限のビットレートであり、これより下にすると途端に音質がガタ落ちします。それはもうはっきりと分かるほどに。
 ということで、「CDから取り込んだ曲の音質が悪いんだけど…」という方はぜひエンコーダのビットレート設定を見直してみてください。

 こういった内容って、実はMIDI検定にも出題されてるんですよね。DTMでデジタルオーディオデータを出力する以上、こういった知識が無いと困る場面に遭遇することもしばしば。一般的にはあまり役立たない知識ではありますが(^-^;、覚えておいて損はないはずです。
 なお、サンプリング周波数やら量子化ビット数やらをお手軽に変換したいという方には「Sound Engine Free」がおすすめです。簡単な音圧アップや波形の切り貼りなんてのもできますし、DTMerには必携のツールだと思います。
posted by あずぷろスタッフ at 00:05| 秋田 ☀| Comment(0) | DTM・打ち込み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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